2010年に閉館した愛知県の蒲郡ファンタジー館が2014年に竹島ファンタジー館としてグランドオープンしました。5000万個の貝殻を使って作られたオブジェはサイケデリック!
昔のファンタジー館入り口
2005年の蒲郡ファンタジー館(がまごおりふぁんたじーかん)。「海底のロマン」「深海のロマンチック海道」という文句、そしてレインボーカラーのアーケードがいかにも昭和な感じでした。
現在のファンタジー館入り口
08月02日にリニューアルされた、竹島ファンタジー館(たけしまふぁんたじーかん)。「貝と石のテーマパーク」「Welcome!!」と現代風の言葉に変わっています。アーケードも取り払われて、開放的な入り口になりました。
竹島ファンタジー館とは?
ファンタジー館の特徴は貝殻。壁、天井、床、360度貝だらけ。その数500万個。それもただデタラメに並べたとのではなく、すべて大きさ種類別に分類された貝殻を、オブジェやレリーフ、ジオラマの材料として使っているのです。珍しい貝殻はちゃんとワシントン条約以前に輸入されたもの。非常にレアな貝も見られるのでコレクター的にも垂涎のスポットです。
ゲシュタルト崩壊の貝殻
同じ種類、同じ大きさの貝殻がびっちりと一面埋め尽くしている様は、ザ・ゲシュタルト崩壊。視界のすべてを貝が覆っている状態で眺めていると、だんだん身体がユラユラと揺れているような変な気持ちになってくるのです。同じものが規則正しく並んでいるのは個人的には大好きなのですが、つぶつぶがキライな人には閲覧注意かも。
600種類、28万個の貝がら壁画
この沈没船と海底の様子を描いた貝の壁画なんぞは、600種類、28万個の貝殻を使って作られているんですよ。もう人智を超えた集中力、継続力。これ作った人いったいどういう気持ちだったんだろう……。途中で「うきょおおおおおおお!」とか叫んで、貝殻全部投げ散らかしたくならなかったのかしら。
大人向けから子供向けへ
旧・蒲郡ファンタジー館と新・竹島ファンタジー館の最も大きな違いは「大人向けか子供向けか」でしょう。リニューアル後は、プリンセスのミシェルと騎士のガマゴーの二人と一緒に海底冒険しながら、スタンプラリーを楽しむという趣向になっています。
スタンプラリーも開催
館内のあちこちで数分のミニ映画を見て、各コーナーに隠された昔話の主人公を見つけるスタンプラリーを完成させると、出口で貝を使ったおみやげをもらえるんです。子供ってスタンプラリー好きですもんね。使われているキャラもうっすら萌えキャラだったりして現代風に。
昔はレインボーカラーでカラフル
そして使われている色も新旧で違っています。昔のファンタジー館はとにかくカラフル、原色、レインボー。珍スポットには極彩色が非常によく似合います。
今はシックで神秘的に
これは同じ場所で撮影したものですが、リニューアル後は青を基調色とした神秘的な雰囲気に変わっています。
昔風の電飾照明
2005年当時の、赤青緑の電飾で飾られた空間。
間接照明でおしゃれ度アップ
2014年は間接照明を使って幻想的な空間に。おしゃれ感はアップしていますが、珍スポット感はダウン。
大人向けソフトエロ路線は廃止
私が最も残念に感じたのは、大人向きのソフトエロ路線が完全に削除されてしまったこと。これは細かい貝殻で作られた人魚の像。おっぱいも乳首もしっかり作られています。
人魚も乳首はNG
新バージョンの人魚は、胸を貝殻のビキニで隠しています。お子様向けに乳首はご法度。
腰ミノから洋服へ
等身大の女性像も前は腰蓑をつけただけの丸裸でおっぱいもおしりも丸見えだったのですが、今は服を着せられて「元カリブの女海賊 ボン・リード」という肩書と名前までつけられていました。
エロマネキンはまるごと撤去
そして悲しいことに、秘宝館のようなリアルなマネキン人魚はまるごと撤去されていました。ピンクの明かりに照らされて昭和エロチックな雰囲気がとても気に入っていたので残念です。でも仕方ないですよね。珍スポットマニアターゲットじゃなくて、お子様やファミリー向けの施設に転換したんだから。
オーナーさんが変わったため
スタッフの方に伺うと、この変更はオーナーさんが変わったのが理由ということでした。ファンタジー館は1970年代は熱帯植物園としてオープン、1980年代に貝殻をテーマにした美術館に改装。1983年に蒲郡ファンタジー館として開業。
そして老朽化のために2010年に閉館した後、碧南市の食品卸業者・かね高によって施設が購入され、2014年にファミリー向けのミュージアムに進化したのです。時代にそって変わっていったからこそ40年以上も続いたんですよね。
オウムガイのトンネルはパワーアップ
でも人気だったオウムガイのトンネルはさらにパワーアップされていましたよ。これは昔のトンネル。
動画で見るサイケデリックトンネル
ぜひ動画で御覧ください。現代のトンネルは「時空のトンネル」と名付けられて七色に輝いています。ファンタジックだけれど、びっちりオウムガイで埋め尽くされたトンネルは一歩間違えると悪い夢を見ているようなLSD的サイケデリックワールド。10年近く経ってまた再会出来たのは嬉しかったです。
龍宮城の大パノラマ
フィナーレの龍宮城の大パノラマ。使われている貝殻の総数500万個! リニューアル前は、ふにゃふにゃのうらしまたろうの童謡をBGMに、マネキンの乙姫や女官がぐるぐる回っていました。
金の橋も新たに設置
リニューアル後は電動で動く仕組みはなくなり、背景にミシェルとガマゴーの冒険ムービーが投影されます。そして観客の通路に黄金に輝く橋が設置されました。その名も金虹橋(きんこうばし)。渡ると幸せになると説明がありました。
ここだけ真顔のガマゴー
金虹橋は薄い金箔を貼り付けて作られたものなので、注意書きに「金の橋を傷つけないでください。魔法の力が消えてしまいます!! 監視カメラがいつも見ているヨ!」 最後の1行だけガマゴーが真顔のような……。
進化し続けるファンタジー館
壁一面の巨大貝殻レリーフも健在で圧倒されました。全体を見ての感想。昔のファンタジー館を知っている珍スポットマニアにはちょっとさびしいところもあるかもしれませんが、既存のオブジェをすべて活かしつつ、ファミリーにも楽しめるようにうまく工夫してあるなあと感心しました。こんな風に進化し続けるファンタジー館なら、さらに10年、20年後も安泰かもしれませんね。【麻理】
参考文献
地図&情報
竹島ファンタジー館(たけしまふぁんたじーかん)
住所 :愛知県蒲郡市竹島町28-14
電話 :0533-66-3888
入館料:大人1000円
休館日:水曜日
時間 :09:00~17:00(03月〜10月)09:00~17:30(07月・08月)09:00~16:30(11月〜02月)
駐車場:無料
関連URL:竹島ファンタジー館