公園の広場にぽつんと置かれた階段。でも登っても何もありません。かつての処刑台の跡とか幽霊が出るという不気味な噂もあった、千葉県佐倉城址公園の謎の階段を見に行ってきました。
悲しい伝説もある姥が池
佐倉城址公園(さくらじょうしこうえん)は佐倉城跡の中にあります。シイノキ、カシノキ、モミジなどの大木がたくさん植えられている緑の多い公園です。この姥が池は乳母が若君を池で遊ばせていた時に、あやまって若君を溺れさせてしまったというお話が伝わっています。
心霊スポットとしても有名
そんな悲しい言い伝えのせいか、姥が池は心霊スポットとしても有名なのですが、池を突き当たった小道の先にもう一つ別の心霊スポットがあるのです。ちょうど辺りは日が沈みつつある逢魔が時。不気味な雰囲気が漂ってまいりました。
幽霊が出る? 謎の13階段
もう一つの心霊スポットとは「謎の13階段」と呼ばれるものです。かつては幽霊が出るとか、辺りで奇妙なうめき声が聞こえる──などの噂がささやかれていました。広場の奥まった部分に件の階段が見えてきましたよ。
唐突に階段だけが置かれている広場
これが謎の13階段です。唐突に階段だけがぽつんと置かれています。近づいてみるとコンクリート製のようです。かなりがっしりした作り。でもいったいこれは何のためにあるのでしょうか?
処刑台の跡? ばっさり切り取られた階段
一説には昔の処刑台だったとも言われています。高さ2m半ぐらいですからそうであってもおかしくありません。この階段に登ってもどこへ行き着くこともなく、向こう側はばっさり切り取られたようになっています。
登ると原因不明の喉の痛みが走る?
この階段に登って振り向くと原因不明の喉の痛みが走る──なんて噂もあるようです(『不思議スポット105』より)。でも霊感ゼロの私は全くなんともありませんでした。幽霊もいないようだし……変ねえ。
実は軍事訓練用の12階段でした
なーんて、さんざんとぼけてきましたが、実はこれは戦争時代の訓練用の12階段なんです。写真の説明書きは以前にはなかったのですが、あまりにも幽霊話が広まったり心霊スポットとして有名になってしまったので近年になって取り付けられたようです。あらら、拍子抜け。
取り壊すのが難しかったため残ったものか?
この階段は兵士が飛び降り訓練用に使っていたものの名残です。木製の飛び降り台と違ってコンクリート製で取り壊すのが大変だったので戦後も残ったと書かれていました。この写真と説明書きで、昔の兵隊さんが飛び降りる訓練をしていたことを初めて知りました。
最後の踏み板も合わせて13階段に
あれ? でも13階段じゃなくて「12階段」と書いてありますよ。確かに数えてみるとコンクリートの段数は12段。でも一番最後に木の踏み板が置かれているので13階段のようになってしまっています。心霊スポットの噂の元はこの踏み板の13段目にあるのかもしれませんね。
階段は姥が池の南側にあります
謎の13階段──もとい訓練用12階段の場所は、佐倉城址公園の案内図にもちゃんと描かれています。園内は広く少し分かりにくい場所にあるのですが、姥が池の南側に行けば見えますよ。不気味な雰囲気を味わいたい方は夕暮れ時に訪れるのがお勧めです。
おまけ:難易度が高い佐倉城址公園の公衆トイレ
ところで佐倉城址公園の公衆トイレにこんな張り紙が貼ってありました。えっ、ペットの糞と紙以外は流しちゃいけないの? これじゃ肝心のモノが流せない……という難易度が高いトイレになっています。もちろん冗談でちゃんと流せますからご安心を。(2016年10月08日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
佐倉城址公園(さくらじょうしこうえん)の謎の階段
住所 :佐倉市城内町官有無番地
電話 :043-484-0679(佐倉城址公園管理センター)
休業日:年中無休
入場料:無料
駐車場:無料