愛知県名古屋市の彫刻喫茶 三鈴。店内にはマスター自作の彫刻がぎっしり! テレビなどで紹介されたおっぱいペンギンは、なんと乳首を中心にまあるく年輪が刻まれているんです。
2014年04月末閉店
彫刻喫茶 三鈴(ちょうこくきっさみすず)と言えば、東海珍スポットマスターである大竹敏之さんも太鼓判を押す個性派喫茶店。40年もの間、名古屋市西区で営業していた老舗喫茶店でもありますが、2014年04月末で閉店することになりました。そこで見納めに足を運んでみたわけです。
店先にも彫刻がたくさん
店先にはペンギンや犬の彫刻が並んでいて、遠くからでもすぐ場所がわかります。しゃがんで木彫のカモを眺めていると、お店の中からマスターが「入って、入って〜!」と笑顔でドアを開けてくださいました。
懐かしいような素朴な雰囲気
椅子が20ほどのこぢんまりした店内。常連らしきご一家とママが楽しげにおしゃべりしています。入った途端に居心地の良さを感じました。懐かしいような、素朴の味わいのある内装です。
店内の作品は100点以上
お店の壁には、マスター・辻邦男さんによる手作りのレリーフがたくさんかけられています。お店の中だけでなんと100点も作品があるそうです。「他の場所にもまだまだたくさん彫ったものがあるのよー」とママさん。
独学で身につけた彫刻
私も工作が好きなので興味津々。「機械で彫るんですか?」とお聞きすると、ニコニコしながら手彫なんだと教えてくださいました。えー! こんな大きな作品も手で彫るの!? 小さいころから彫刻が大好きで、そのテクニックはすべて独学で身につけたのだそうです。
ほのぼのした彫刻に癒やされる
ユーモラスな動物あり、リアルな裸婦あり、抽象的な人物像あり──でいろんな作風の彫刻が並んでいます。手彫ならではの丸みに暖かさを感じますね。彫刻喫茶三鈴の居心地の良さは、ほのぼのした木の作品に囲まれているからかもしれません。
有名なおっぱいペンギン
辻さんの作品の中で一番有名なのがおっぱいペンギン。このおっぱい、よく見るとちゃんと乳首を中心にまるく年輪が刻まれているんです。こんな風に二つの年輪が浮き出ている木は探してもなかなかないそうで、材料探しには苦労するんだよとおっしゃってました。ペンギン+おっぱいの組み合わせ、意外に合いますねー。
小さな手作り作品も
辻さんの作品は壁面だけでなく、店内の至る所に存在します。コーヒーのおつまみ入れも、灰皿も手作りですよ! 可愛らしいメジロの小皿と、カモ(アヒル?)の灰皿。こんな細かい心遣いにも癒やされます。
移転の予定はないそうです
気さくなマスターとママのお人柄か常連さんも多いようです。閉店はすごく残念ですが、なんでもビルが老朽化しているため建物を取り壊すみたいです。移転されたり、リニューアルオープンされないのかとお聞きすると、「いやー、もうしばらくはゆっくり休みたいんだよね」とマスター。奥様とお二人で趣味の登山三昧をされるのかもしれませんね。
山椒のパスタは絶品!
ママさんとおしゃべりしていると、注文の品が出来上がりました。これは名物のきのこの山賊スパゲティ。山椒がたっぷりかかっています。なにこれ! ものすごく美味しいんですけど! 山椒のピリリとした感覚がパスタに良く合います。夢中になって食べていると、この山椒は木曽の山の農家から仕入れているから、スーパーの山椒の粉とは全然違うでしょと辻さんがニッコリされました。
トイレもお見逃しなく
トイレも手作り炸裂! 天井から観葉植物の造花が垂れ下がってトロピカル。入り口天井付近には毛鉤のコレクションが。これも辻さんの手作りなのかしら。元々多趣味で手先が器用な方なのね。
閉店が本当に残念!
レトロなレジや、手作りアクセサリー(購入できます)、ロサンゼルスのイラストマップなど、店内は見どころいっぱい。お料理も美味しいし、楽しいご夫妻とのおしゃべりももう今月でできなくなるのかと思うと、すごくすごく残念です。でもこれからは趣味の旅行を存分に楽しんでくださいね。(2014年05月19日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
彫刻喫茶 三鈴(ちょうこくきっさみすず)
現在閉店しているお店です。ご注意ください。大変残念です。楽しい想い出をありがとうございました。
住所 :愛知県名古屋市西区上小田井1-31
電話 :052-502-2431
時間 :07:00~19:30
入館料:大人400円
休業日:月曜
駐車場:無料
関連URL:彫刻喫茶 三鈴 – 庄内緑地公園/喫茶店 [食べログ]