全長26.3m! 大迫力の戦艦「大和」の10分の1模型です。広島県呉市の大和ミュージアムは大和をはじめ、零式艦上戦闘機、回天などの実物資料を見ながら呉と戦争の歴史を学べます。
東洋一の軍港から造船の街へ
東洋一の軍港、日本一の海軍工場の街として栄えた広島県・呉。現在も世界最大のタンカーを建造するなど、港と造船の街として知られています。そんな臨海工業都市・呉で人気のスポットと言えば大和ミュージアム(やまとみゅーじあむ)・呉市海事歴史科学館です。
戦争関連のスポットもご紹介しています
ここはいわゆる珍スポットではないのですが、当ブログでは私の個人的興味から日本各地の戦争関連の地を訪ねて記事を書いています。戦後70年以上が経過しましたが、戦争について現代の私たちが学ぶことは多く、この大和ミュージアムも大変感銘を受けた展示がありましたのでご紹介いたします。
戦艦・大和の10分の1模型
大和ミュージアムの開館は2005年04月23日。今年2017年でオープンから12年が経過しました。一番の目玉展示は、全長26.3mもある戦艦・大和の10分の1模型です。設計図、写真、潜水調査映像を元に忠実に再現した逸品。
昭和20年04月07日に海に沈んだ戦艦・大和
模型にもかかわらずとにかくでかい! 第二次世界大戦当時世界最大だった驚異の軍艦・大和。実物はこの10倍の全長263m、巾38.9mもあったというのだから驚きます。しかしご存知の通り昭和20年(1945)04月07日に、艦長以下2498名とともに海に沈んでしまいました。
戦艦大和の最期に立ち会った方の証言
展示室で戦艦大和の最期に立ち会った元軍人さんのインタビューを見ました。海に沈む大和から彼が投げ出された時、上官が「お前は若いから大丈夫だ。きっと生きられる」と言って、自分の浮き輪を投げてくれたそうです。
歯を食いしばって手を握りしめないと見ていられない
また呉の戦火を生き延びたご婦人の動画も見ました。辺り一面遺体だらけで足の踏み場もなかったけれど、どうしても赤ちゃんのご遺体は踏むことができなかったとおっしゃっていました。歯を食いしばって手を握りしめていないと涙がこぼれそうでした。ふと隣を見ると、そこにいた方も手を握りしめていました。
実物資料の展示、戦争体験者のビデオ
零式艦上戦闘機六二型や特殊潜航艇・海龍、人間魚雷・回天、九三式魚雷など貴重な実物資料の展示も胸に迫りますが、やはり戦争を体験された方々の証言ビデオが一番突き刺さりました。肖像権の問題がありますので写真撮影はできずこの記事では文章のみですが、ぜひ当ミュージアムで彼らの生の声を聴いてください。
軽い気持ちでは見学できない内容
オープンから10年あまりなので館内はピカピカ。資料の見せ方も分かりやすく美しく展示されています。でも死にゆく特攻隊員の手紙や、戦争体験者の証言ビデオ、当時の苦しい生活が垣間見られる日用品──など暗い内容ばかりなので軽い気持ちで見学はできません。戦争の悲劇が心に刺さりました。
展示資料はかなりのボリュームなので時間多めで見学を
1階から3階まで展示室がありますが2階は吹き抜けの構造になっているので、実質大型資料展示の1階と、船舶資料・実験工作室の3階、ライブラリーとテラスの4階部分があります。でも1階部分だけでもかなりのボリュームがあるので時間はたっぷり取ったほうがいいですね。
港を散策しながら屋外の展示もどうぞ
大和ミュージアムは屋内だけでなく、屋外にも戦艦・陸奥の主砲身や、スクリューなどの引き揚げ品の実物展示があります。港の香りを感じながら展示品を見るのは格別です。大和ミュージアムはここ呉にあるからこそ感じる重みがあります。
名誉館長に石坂浩二さん、松本零士先生
大和ミュージアムの名誉館長には有名な方々が名を連ねていますよ。俳優の石坂浩二さん、作家の半藤一利さんなどなど。でもやっぱり「大和(ヤマト)」と言えばこの方・松本零士先生です。以前は『宇宙戦艦ヤマト』関連の展示もあったようなのですが、なぜ撤去しちゃったのかしら?(2017年05月03日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
大和(やまと)ミュージアム・呉市海事歴史科学館(くれしかいじれきしかがくかん)
住所 :広島県呉市宝町5番20号
電話 :0823-25-3017
休業日:火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日休館)(春休み、夏休み、年末年始は無休)
時間 :09:00~18:00
入場料:大人500円
駐車場:有料(285台・1時間100円)
関連URL:大和ミュージアム・呉市海事歴史科学館