富山県高岡市の勝興寺七不思議を知っていますか? 天から降ってきた石、水の枯れない池、屋根を支える謎の生き物の彫刻、雲龍の硯、魔除けの柱など7つの不思議なモノをご紹介します。
富山県高岡市の大寺院・勝興寺
勝興寺(しょうこうじ)は戦国時代の1471年に創建された古刹です。広大な敷地に国指定、県指定の重要文化財がたくさんあり(写真の唐門は国指定の重文)まごうことなき大寺院です。この日はイベントをやっていたので拝観料が無料となっていました。
勝興寺の七不思議とは?
勝興寺には昔から七不思議と呼ばれる言い伝えが残っています。一説にはお寺のご住職が信者さんに説教する時に引用され始めたとも考えられていますが、七不思議がいつごろ成立したのかははっきりしていません。
七不思議その1:天から降った石
七不思議その1:天から降った石。200年ほど前に国分の浜に天から落ちてきたと言われている石です。つまり隕石ってことかしら? 夜になると波が当たって泣いているような音がするので、勝興寺の本堂前に置いたところピタリと音が止んだのだそうです。叩いてみるとカンカンという音がします。
七不思議その2:実ならずの銀杏
七不思議その2:実ならずの銀杏。境内の前庭にある樹齢300年ほどの銀杏の木です。この銀杏はある時から急に実がならなくなったとか。なんでも昔子供が銀杏の実を取ろうとして木から落ちたり、実の取り合いでけんかになったりして、ご住職がお経を唱えたところ、翌年からぱったり実をつけなくなったのだそうです。
七不思議その3:水の涸れない池
七不思議その3:水の涸れない池。本堂の南側にあります。勝興寺で火事があった時に、経堂重層屋根(きょうどうじゅうそうやね)に彫られた龍がこの池の水を口に含んで火を消したと言われます。それ以来この池の水はどんな干ばつの年でも決して干上がることがないそうです。
七不思議その4:魔除の柱
七不思議その4:魔除の柱。本堂はほとんどがケヤキの木で作られているのですが、この柱(ご住職の手の先にある奥側の柱)だけが桜の木で、しかも逆さまに取り付けられています。逆柱(さかばしら)は日光東照宮の陽明門にも見られますね。一つだけ不完全な部分をわざと作るという魔除けの一種です。
七不思議その5:屋根を支える謎の生き物
七不思議その5:屋根を支える謎の生き物。本堂の4隅上部に屋根を支えているような格好の不思議な生き物がいるのです。場所がわかりにくかったのでご住職にお尋ねすると、わざわざ案内して解説してくださいました。
肉眼で見るのは難しいかも
めいっぱいiPhoneで拡大したのですが、小さい人間のようなものが踏ん張って屋根を支えているのがわかりますでしょうか? 本堂の前側は両手で、後ろ側は片手で右手、頭、左肩で屋根を支えています。
猿ではなく天邪鬼であると判明
こちらが修理の際に撮影した本物の彫刻。はっきりと表情まで分かりますね。これは長年「猿」であると言われてきましたが、近年になって裸にふんどしをつけた「天邪鬼(あまのじゃく)」だと判明しました。
昔の人々の願いが込められた天邪鬼
レプリカを前にご住職がいろいろ教えてくださいました。天邪鬼は人の言うことに反発したり、正反対のことをやるへそ曲がりなので、建物の屋根を頑丈に支えてくれるらしいのです。なるほど昔の人々の建物への願いがこもっているんですね。
七不思議その6:雲龍の硯
七不思議その6:雲龍の硯(すずり)。これはかつて宝物収蔵庫にあったので自由に見られませんでしたが、現在は本堂に展示してあります。蓮如上人の愛用品で、自然に水が湧き出るという不思議な硯なのです。内部にタンクが内蔵されているからくり仕掛けの硯なのかもしれませんね。
七不思議その7:三葉の松
七不思議その7:三葉の松。本堂北側の中庭にあります。西洋の松は3葉のものが多いらしいのですが、日本の在来種では珍しとのこと。工事中で近づくことはできなかったのですが、3枚葉を見つけたら幸せになれるというジンクスがあります。四つ葉のクローバーみたいですね。
万葉歌人・大伴家持ゆかりの地
勝興寺の境内は天平時代には越中国庁がありました。万葉歌人として有名な大伴家持も746年から5年間、越中守として在任したんですよ。そんな歴史ある勝興寺の七不思議、ぜひ7つ全部を探してみてくださいね。(2017年11月03日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
勝興寺の七不思議(しょうこうじのななふしぎ)
住所 :富山県高岡市伏木古国府17-1
電話 :0766-44-0037
時間 :09:00~16:00
拝観料:300円(工事協力日として)
駐車場:無料
関連URL:勝興寺