滋賀県の東近江大凧会館を訪れました。畳100枚以上、重量700キロの凧は日本一の大きさ。大凧が大空に舞い上がる姿は勇壮そのものです。世界の凧のコレクションも必見ですよ!
大凧は国の無形民俗文化財に指定
東近江市は江戸時代の昔から大凧で知られています。毎年5月に開催される東近江大凧まつりや成人式、祝賀行事に合わせて大凧が制作されて揚げられています。東近江の大凧は国の無形民俗文化財に指定されているんですよ。
畳100畳分の大凧
館内に入って度肝を抜かれるのはこの畳100枚の大きさの大凧です。縦は13メートル、横12メートル。総重量はなんと700キロ! あまりに大きくて壁際まで下がっても全体がカメラに収まりません。この大凧は地元の方々ボランティアの皆さんによって毎年作られています。
なぜ凧は巨大化したのか?
なぜこんなに大きな凧が作られるようになったのでしょう? 東近江の凧も最初は小さなものでしたが、近江人の負けん気の強さや技術の進歩、琵琶湖の強風、凧を上げるのに適した広大な沖野ヶ原という条件が重なり、次第に巨大化していったのです。
明治15年の大凧はなんと畳240枚分!
今までに揚がった凧で最大のものは明治15年の大凧で、なんと畳240枚分もの大きさがありました。凧を作るのも大変ですが、揚げるのも大変。100畳大凧は約250人が一日6時間一ヶ月かかって作り、凧揚げにも約130人が参加するという大掛かりなイベントです。
判じもんはダジャレ?
大凧は「判じもん」というデザインで作られます。これは凧の上部に書かれた動物と朱色の文字を組み合わせて意味を持たせること。要するにダジャレです。この大凧は龍(辰)が2匹で(辰辰)、そして健康の健の字で「心身健やか」という判じもんになっています。
新成人のみなさんによる20畳敷の大凧
こちらは毎年1月の成人式に挙がる20畳敷の大凧。新成人の皆さんが判じもんを考えるそうですよ。左は向かい合う鶏と中央に「ともに」、下に「手」の文字で、「ともに手をとり(鳥)あって」。真ん中は猿に結ぶで「縁(猿)を結ぼう」。右は服を着た羊(ラム)に夢で「夢ふくらむ」。おっ、英語も取り入れてますね。
あなたには分かりますか?
皆さんもちょっと知恵を絞って判じもんに挑戦してみてください。
左:干支「亥(い)」2頭が向かい合う上に九と二の株札の絵、造の朱文字で「造ろういい国」
中央:犬(ドッグ)の逆立ち「楽」の文字で「グッドラック」
いやー、ドッグの逆立ちでグッドとはなかなか思いつきませんね。
二階は世界の凧のコレクション
二階部分は世界中の凧を集めたコレクションルームとなっています。壁も天井もあっちこっちに珍しい凧がいっぱい。
日本の凧のエリア
日本の凧エリアは日本各地に伝わる昔ながらの凧が集めてあります。やっこ凧は有名ですね。こういう和紙と竹ひごで作られた凧を見ることは今ではほとんどなくなりました。私の子供の頃でさえゲイラカイトが人気でしたし。今の子って凧揚げとかするのかしら?
空を飛ぶ動物が多い印象
鳥や空を飛ぶ昆虫などが多いですね。やはり大空に舞っている姿を想像しやすいからでしょうか。中に鎧武者の凧もありましたが、これが空に挙がっているのはシュール。
インパクト大のコウモリ凧
個人的に一番面白かったのはインドネシアバリ島の蝙蝠凧。空を飛ぶコウモリのモチーフを使うのは全然オッケーなのですが、なぜこの顔にした。眉毛ボーンに目ヂカラ強すぎの表情が印象的です。
若い人が参加する価値ある伝統行事
地方のお祭りは若い人の参加が多いほど活気があるものですが、東近江の新成人が毎年参加して大凧を作るイベントは大変意義がありますね。世界各国の凧揚げイベントとコラボすることもあるそうです。今後もぜひ末永く続いてほしい行事です。(2016年01月09日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
東近江大凧会館(ひがしおうみおおだこかいかん)
住所 :滋賀県東近江市八日市東本町3-5
電話 :0748-23-0081
休業日:水曜日、第4火曜日、祝日の翌日、年末年始(12月28日〜01月02日)
時間 :09:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:大人300円
駐車場:無料(20台)
関連URL:世界凧博物館 東近江大凧会館