雪国ならではの生活の知恵・雁木アーケード「高田駅」【新潟】

高田駅
最近はあっさりした簡素な作りの駅が多くなっていますが、新潟県上越市高田駅は、瓦屋根が美しい純日本風の建築。でも高田駅はただ美しいだけでなく、豪雪地帯ならではの伝統的な知恵と工夫が詰まっているんですよ。

高田城の三重櫓(さんじゅうやぐら)がモチーフ

高田駅
高田城の城下町である高田。この駅のデザインは高田城の三重櫓(さんじゅうやぐら)をモチーフにしています。正確に言うと、このお城風の建物は駅舎ではなく駅前のアーケードにあたり、駅舎本体はこの後ろに隠れているのですが、まあ、観光パンフレットでもこのお城風アーケードの写真が掲載されているので、全体でひっくるめて「駅」ということでご勘弁ください。

高田城は明治3(1870)年に火災のため消失、三重櫓も明治19年ごろ取り壊されました。その後長い月日が経ち、上越市発足20周年記念事業として三重櫓が平成5(1993)年に復元されました。

第二の特徴は「雁木(がんぎ)」

高田駅
高田駅の特徴はお城の櫓(やぐら)がモチーフになっているだけではなく、雁木(がんぎ)型アーケードというとても特徴的な構造になっています。雁木とは屋根付きの通路のことです。総延長はなんと16〜18km! 雨の日でも駅前からずっと傘なしで歩ける、非常に便利な作りになっているんですね。

雪国独特の生活の知恵が詰まった構造

高田駅
雁木(がんぎ)は雪国特有の建築です。道路沿いの家々がひさしを伸ばして、積雪時に道路を確保する生活の知恵ですね。かつては日本海側のあちこちの街で見られましたが、今では雁木を持つ通りは少なくなりました。高田地区は現在も雁木が残っている珍しい土地です。

東京駅をイメージとして取り入れたレンガの支柱

高田駅
また駅正面部分の支柱には赤レンガが使用されていて、これは東京駅丸の内駅舎のイメージをデザインに取り入れているからだそうですよ。レトロで落ち着いた雰囲気ですね。SNSの写真撮影スポットとしても映えそうです。

広々とした駅前ロータリー

高田駅
駅前のロータリー部分はモニュメントと公園を組み合わせたようなスポットとなっています。待ち合わせにも使われているようです。駅前からまっすぐに伸びた道路にも雁木のアーケードが続いています。広々とした開放感のある空間ですね。

思いやりにあふれる美しい街・高田

高田駅
高田駅から雁木通りを散策してみました。どこまでもずっと雁木が続いていて驚きました。雁木は私有地を道路として提供している部分も多く、地元の方々によって観葉植物や花が飾られていたりキレイに掃き清められていました。この街を訪れる人々への思いやりがあふれる素敵なスポットでしたよ。(2019年05月03日訪問)【麻理】

動画で見る高田駅

参考文献

地図&情報

高田駅

住所 :新潟県上越市仲町4丁目1番1号

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