宮古島北の宮古馬牧場。広々とした囲いに馬が放し飼いにされています。自由に草をはんだりポクポク歩いたりして実にのどかな風景。宮古馬は日本で最も数が少ない在来馬です。
西平安名崎の宮古馬牧場
ここは西平安名崎(西平安名岬:にしへんなざき)。宮古馬モニュメントを見て、実際の宮古馬ってどんな馬なのかなと興味が湧いて、実物を見に行ってきました。一時期乗馬を習っていたこともあって、私は馬が大好きなのです。


わらわらと近づいてくる
宮古馬は体高が120センチぐらいの小さな馬です。青空と大地が広がるだけの放牧場で暇を持て余しているのか、私が写真を撮っているとわらわらと近づいてくるんです。宮古馬は従順でおとなしい性格だそうですが、好奇心旺盛でもあるのかしら。可愛いなあ。
宮古馬は最も少ない在来馬
日本の在来馬は、国内8馬種──北海道和種馬、木曽馬、野間馬、対州馬、御崎馬、トカラ馬、宮古馬、与那国馬──が飼育されているそうです。日本馬事協会の資料によると、訪れた2011年の時点で宮古馬は30頭しかいません。長崎の対州馬の29頭と並んで、最も少ない在来馬となっています(※)。
絶滅の危機にある宮古馬
つまり宮古馬は最も絶滅の危機に瀕している馬なんですね。現在は行政や農家が協力して宮古馬の保存と増殖に力を入れているのですが、これだけ少ない頭数だと近親交配による遺伝病のおそれがあります。地元の方も増殖に苦労されているのではないでしょうか。
昭和30年代には1万頭も
宮古馬は700年以上前から飼育が始まり、農業用の家畜として、また江戸幕府や中国への献上品として生産されていました。丈夫で性格も良いため農耕馬として重宝されて、昭和30年代の始めには宮古島に1万頭もいたんだそうですよ。
戦後機械化によって減少
しかし戦後になって農業が機械化されたため徐々に数が減少してしまいました。そして今や絶滅の危機にあるのです。1980年に宮古島の6市町村で結成された宮古馬保存会の努力により30頭あまりが健在だとは言え、油断の出来ない状況です。
仲間が30頭だけ……
1991年に沖縄県の天然記念物に指定された宮古馬。人懐っこくて、つぶらな瞳で、すごく可愛かったんですが、自分の仲間がほんのちょっとしかいないなんて気の毒だなあとしみじみ。私も含めて日本人が30人しかいなかったらどうだろう……てなことを考えました。(2011年04月19日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
宮古島牧場(みやこじまぼくじょう)
住所 :沖縄県宮古島市平良狩俣