宮古島の北西に位置する伊良部島は周囲約27キロ、サンゴが隆起して作られた島です。今回は伊良部島にある、巨大なサシバモニュメントをご紹介しましょう。雄大な風景ですよ。
島一周45分のドライブ
伊良部島のすぐ西側には下地島があって、両方の島合わせてぐるーっと一周できる外周道路があります。クルマだとだいたい45分で一周ぐらいかな。伊良部島は息をのむような、それはそれは美しいサンゴ礁に囲まれていて、爽快なドライブを楽しむことができます。
小さな標識が目印
そんな伊良部島にも巨大なモニュメントは存在するのです。佐良浜港から外周道路を5分ほど行ったところ。こんな標識を見つけたらクルマを停めましょう。ちっちゃな標識なので見落とさないように。
宮古空港のサシバ覚えてますか?
おおっ! 羽を広げた巨大な鳥がおしりを向けていますよ。この鳥はサシバと言います。覚えておいででしょうか、宮古空港の建物のモデルになっている、ワシタカ科の渡り鳥です。毎年10月中旬頃の2週間に飛来します。その数、29,000羽!(※)
ふなうさぎバナタって?
このスポットの正式名称はふなうさぎバナタと言います。宮古言葉で、「船を見送る岬」という意味です。バナタはバンタとも言って、岬を指す言葉なんですね。なるほど。説明書きによると昔沖縄本島に旅立つ人や、出兵兵士を見送ったところから名付けられたそうです。またこの場所から木材を海に落とし、帆船で運んでいたことから「木ーうるすバナタ」とも言うみたい。
サシバのお尻から展望台へ
このモニュメントは展望台も兼ねていて、階段で上ることができます。サシバのお尻の方から入るのがなんともかんともですが、早速上ってみましょう。
かつては空を埋め尽くしていたサシバ
眼下に広がるブルーラグーン! 空に向かって一直線に飛んでいくようなサシバ! まさに絶景! その昔、10月になると空を埋め尽くすほどのサシバの大群がいたそうです。古くから宮古島ではサシバを食べる習慣があったので、住民は木の枝にびっしり止まったサシバを手当たり次第に捕まえたんだとか。もちろん今はサシバは禁猟になってますよ。
宮古島モニュメントの中で一番のお勧め
現在はかつてのようなサシバの大群は見られなくなりました(※)。それでも現在、数千羽が空に舞う姿は圧倒されるでしょうね。個人的に私は宮古島の巨大モニュメントの中では、このサシバが一番好きです。伊良部島観光の際にはぜひお立ち寄りを。(2011年04月21日訪問)【麻理】
追記:2022年09月03日
2022年08月14日。宮古島旅行をした時に立ち寄りました……が、なんとそこにはサシバはいませんでした。ただ土台のみが残っていて唖然としました。
2019年に塩害による老朽化で撤去されていたのでした。私が呆然としていると、後から観光客の人がやってきて同じく「な、ない……」と絶句されていました。
老朽化で上部解体、撤去/バナタ展望台
市役所伊良部支所(上地成人支所長)は10日から、伊良部島の観光名所の一つ、「ふなうさぎバナタ展望台」上部の屋根部分の解体・撤去工事に伴い、立ち入り禁止と車両進入禁止の措置を取る。同支所地域づくり課では「安全な解体工事を行うため、市民や観光客に協力をお願いする」と呼び掛けている。
この展望台は、サシバをかたどったコンクリート構造物。上部の屋根部分は、サシバの頭部や羽部分にあたる。1985年に整備され今年で築34年。
塩害が強い場所のため、老朽化が著しい。過去にコンクリート剥離の落下があったため補修工事を行った。それでも剥離落下の危険が懸念されるため、上部を解体・撤去する。下部は残すため、工事完了後は屋根のない展望台となる。工期は10日から8月31日までを予定。
地元方言の「ふなうさぎバナタ」は、「船を見送る岬」の意味という。説明板には「名称の由来は、昔、沖縄本島などに旅立つ人や出兵兵士を見送ったところから来ている」と書かれている。
参考文献
地図&情報
(撤去)ふなうさぎバナタのサシバ
この巨大サシバ展望台は2019年に塩害による老朽化で撤去されました。ご注意ください。住所 :沖縄県宮古島市伊良部字前里添588-1