「青森と言えば恐山のイタコの口寄せ」と連想するあなたへ。恐山ばかりが青森の霊場ではありません。ここ川倉賽の河原地蔵尊はある意味恐山よりもずっとずっとディープなスポットです。
例大祭で行われるイタコの口寄せ
川倉賽の河原地蔵尊(かわくらさいのかわらじぞうそん)は芦野公園の北、標高30メートルの個買い丘の上にあります。毎年旧暦6月22日から24日までの例大祭では、死者の霊を呼び出すイタコの口寄せが行われ、大いに賑わいます。しかし大祭の日以外は訪れる人もほとんどおらず寂しげな雰囲気。
UFOと関連? 天空から降ったお證明
賽の河原地蔵尊のイタコは鎌倉時代以前からいたと言われているそうです。歴史ある口寄せです。伝説では数千年前に天空からお證明が降り、その光に照らされた場所を掘ると一体の地蔵尊が出土したと言います。このあたりにはUFOの目撃が多いという噂もあって興味深いですね。
津軽弁が分からない
珍スポットとしての見どころは本堂と聞いていたので、社務所にいらした年配の男性に尋ねてみました。ところがなんたることか! まったく聞き取れません。3度ほど聞き返したのですが、本当に分からない。すみません。津軽弁はお手上げです。
とりあえず本堂へ
なんとか拝観は無料ということだけが分かり、「はあ、ええ、まあ、どうも」とかなんとか言ってごまかして境内を散策。本堂を覗くとお坊さんがお経を唱えています。その前には小さい男の子とそのご両親。ああ、今日は法事で中に入れないってことだったのか!
2000体もの地蔵尊・死者の愛用品
本堂には2000対もの地蔵尊が奉られているのですが、どれも化粧がほどこされ、色とりどりの着物が着せられています。その他にも死者が生前愛用していた、服やおもちゃ、身のまわり品が所狭しと並んでいます。あまりのモノの多さにぎょっとするほど。
邪魔してごめんなさいね
写真を撮れなかったのは残念ですが、全てが死者の生前の愛用品と思うとパシャパシャ写真を撮るのも気が引けます。私がこっそり覗き込んでいると、男の子が振り返って私の顔を不思議そうに見つめ返しました。ごめんね、邪魔して。
賽の河原の風車
本堂の脇から芦ノ湖にのびる小道があります。ここは賽の河原。脇にはカラフルな着物を着たお地蔵様がたくさん並んでいます。カラカラと音がするのは供えられた風車。私の他は誰もおらず、風車の回る音が聞こえるだけです。
哀しみの漂う場所
寂しいところです。恐ろしくはありません。道の両脇に並ぶ無数のお地蔵さんは、亡くなった子供たちが膝をかかえて座っているように見えます。子供を亡くした親たちの哀しみが辺りに漂っているような気もします。
ひっそりした東北の霊場
以前、恐山に旅行した友人が「売店がいっぱいで、俗っぽい。思ってたのと違った」とがっかりしていました。もしあなたがひっそりした東北の霊場を求めているなら、ここ、川倉賽の河原地蔵尊を訪れてみてください。(2006年06月03日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
川倉賽の河原地蔵尊(かわくらさいのかわらじぞうそん)
住所 :青森県五所川原市金木町川倉七夕野426-1
電話 :0173-53-3282(川倉地蔵堂事務所)
時間 :09:00~17:00
駐車場:無料(100台・ただし大祭中はクルマはNG)
関連URL:川倉賽の河原地蔵(かわくらさいのかわらじぞうそん) – 五所川原市