なにやら変わった岩。どこかで見たような……と思ったあなたはスルドイ! ここは不思議な奇岩が見られる日本のカッパドキア。福島県郡山市の浄土松公園・きのこ岩をご覧ください。
陸の松島・浄土松
郡山市西部の高旗山(たかはたやま)のふもとにある浄土松公園(じょうどまつこうえん)。浄土松は、浄土ヶ浜、浄土が岡とも言われていて、古くから知られた名所です。松の木が点在していて宮城県の景勝地・松島に似ていることから「陸の松島」とも言われています。
きのこ岩は公園の南のルートから
この公園の一部にとても変わった奇岩があるのです。浄土松公園はかなり広い公園なので、公園の南の山道から歩くのが一番近そうです。山道を登って行くと、10分ほどできのこ岩の案内板を見つけました。
浄土松公園の地図
さらに5分ほど歩くときのこ岩に到着します。これは公園の地図。きのこ岩は公園の南西にあります。
これが日本のカッパドキア!
そして唐突に表れるのがこの景色です。どうです! これが日本のカッパドキア! 福島県の名勝天然記念物ですよ!
かなり、小さい……。
……。正直に言うと、かなりスケールが小さいと思ってしまいました。いやトルコのカッパドキアのスケールが大きすぎるんですよね。それと訪れた時が曇り空で、雨がパラパラ降っていたのもあるかと思います。多分抜けるような青空だったらカッパドキアっぽかったのかもしれない。
よく見るとカッパドキアに見えてくる
でもキノコ岩をぐるっと回ってみると、だんだんそれっぽく見えてくるではありませんか。この角度なんか、かなりカッパドキアっぽいよね。この近くに立って写真撮ったら、友達に「トルコに旅行に行った」と押し通せそうです。
きのこ岩が出来上がった経緯
この丘は白色の凝灰岩・砂岩・頁岩(けつがん)から成っていて、頂上付近は断層のために地層が部分的に傾斜しています。そして断層にそって分断された地層は風化に対する強さが違うので、侵食の度合いが異なるのです。それでこんなキノコのような形になっているというわけ。
東北地方太平洋沖地震により一部崩壊
ただとても残念なことに、2011年に発生した東北地方太平洋沖地震で、きのこ岩の一部が崩壊してしまいました。昔はこの岩に触ったりもできたのですが、現在は鉄条網の柵が張り巡らされており、キノコ岩に近づくことができなくなっています。郡山市の公式サイトにも「公園内は大変危険な状態ですので、十分に注意してください」と書かれているほどです。
侵食によって作られた奇岩は弱い
侵食によって作られた奇岩はもろく、いつ全崩落してもおかしくありません(軽石凝灰岩は触っただけでボロボロ崩れます)。たとえ地震がなくても風雨に弱いため、50年後にあるかどうかはわかりません。福島を旅行される際は、ぜひきのこ岩をご覧になってくださいね。できればこのような曇の日ではなく、真っ青に晴れた良いお天気の時がオススメです。(2013年11月25日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
浄土松公園(じょうどまつこうえん)きのこ岩
住所 :福島県郡山市逢瀬町多田野字浄土松1-1
電話 :024-957-3700(浄土松公園管理事務所)
時間 :見学自由
休園日:なし
入園料:無料
駐車場:59台