愛知県常滑市の窯のある広場・資料館ととこなめトイレパークはご存知INAX関連の施設。自然と調和した美しいトイレで用を足し、江戸時代の将軍が使った御用場の樋箱を見学しましょう。
日本六古窯の一つの常滑
常滑は中部国際空港のある街ですね。またここは昔から窯業の街として知られています。赤茶色の急須の常滑焼をご覧になったことがあるのでは。日本六古窯の一つ常滑は土管の町とも言われ、市内のあちこちに土管を利用した塀や道路もあるんですよ。
INAX世界のタイル博物館
とこなめトイレーパークと窯のある広場・資料館は、衛生陶器や住宅設備機器の株式会社INAXが運営する世界のタイル博物館の一画にあります。この世界のタイル博物館も面白いのですが、見るべきなのはやっぱりシモ関係。
とこなめトイレパークは街のオアシス
まずトイレパークから。常滑の街の景観づくりへの提案を込めた街のオアシスとして誕生したそうです。誰でも自由に利用できる美しい公共トイレです。
いや、美しいんだが……
円形がつらなるデザインで川の流れを再現したり、貝殻や木の葉を埋め込むことで自然との調和を表現しています。えーっと、うーん、もう書くことないや。きれいなトイレですねってことで。なげやりでごめん。
必見は窯のある広場・資料館
それよりも面白いのが窯のある広場・資料館ですよ。古来から日本で使われてきた便器がどっさりあるんですよ! とたんに目が輝きました。特に陶磁器で作られた美しい染め付けの古便器なんか、便器にしちゃうのがもったいないほどの美しさ。いやでもこれでご飯を食べるのはちょっと……だけど。
中でも御用場の樋箱(ひばこ)が素晴らしい
ああ、なのに、なのに。ここは写真撮影が禁止されてるんです。残念。ぜひ見学をお薦めしたいのが、資料館のメイン展示の御用場の樋箱(ひばこ)。御用場ってのはトイレのことね。
畳敷きのあまりに高貴なトイレ
代々将軍家が使用したというトイレは、便器の周りが畳敷き。つまり便器が畳に埋め込まれている形で、床下には人が入れるようになっていて床下で樋箱(ひばこ:おまるのような箱)の引き出しの中身(糞尿)を係の者が片づけることができるんです。ちゃんと床下も前面がガラス張りになっているので見やすいです。
残念ながらその畳敷きの御用場に上がることはできないんですが、その高貴で優雅なため息もののトイレの構造が良く分かって非常に満足いたしました。
使用できるアンティークなら良かったのに
他にも溲瓶(しびん)や男性用小便器の朝顔もいっぱい。とこなめトイレパークもいっそのこと、レプリカでいいからアンティークの染め付け便器(もちろん使用化)を並べてくれたら良かったのになあ。(2007年10月07日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
とこなめトイレパーク・窯のある広場(かまのあるひろば)資料館
とこなめトイレパークは自由に見学できますが、窯のある広場資料館は文化財保全工事のため一時休館しています。INAXライブミュージアムは見学できます。住所 :愛知県常滑市奥栄町1-130
電話 :0569-34-8282
時間 :10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:第3水曜日(祝日の場合は翌日)/年末年始
入館料:大人600円(世界のタイル博物館と共通)
駐車場:無料
関連URL:LIXIL|企業情報|文化活動|INAXライブミュージアム