愛知の貝がら公園は山本祐一氏が61歳の時に白蛇の夢を見て以来、天秤棒で貝がらやセメントを担いで、親子二人で20年かけて完成させた手作り公園&神社。貝がら公園を再訪しました。
やりとりも途切れてしまい……
親子二代に渡り、山本祐一さん、山本良吉さんお二人で山の上に築いた、貝がらの公園。大学生の時ここを訪れて以来、山本良吉さんから毎年年賀状をいただいていたのですが、2007年ごろを最後にやりとりが途切れてしまいました。ご病気されたと年賀状に書かれていたので、どうしていらっしゃるのだろうかと心配していました。
御年90歳の山本良吉さんと会えた!
しかし今年2012年の08月、やっとお会いすることができました。山本良吉さん、今年(2012年)で御年90歳! 8年前に脳梗塞で倒れたものの、お医者様がびっくりするようなV字回復。しかも、後遺症は全くなく、私が息を切らせて登った1000段以上の階段を毎日登り降りされているのです。す、ご、す、ぎ!
親子二人で20年かけて作った公園
この貝がら公園は父上の祐一さんが61歳の時に白蛇の夢を見て、山の上に貝がらでできた神社を作ろうと決意。毎日天秤棒で貝がら、セメントを担いで登り、親子二人で20年かけて完成。遊具やオブジェ、展望台の船、ベンチ──どこもかしこも貝がらだらけの、手作り公園&神社なのです。
超オススメオヤジ系珍スポット
夢のおつげというのは珍スポットの重要なキーワードで、私はこのような珍スポットをオヤジ系珍スポットと呼んでいます。たいてい一家のお父さんやおじいさんがその主役となるからです。20年以上という完成までの期間、建築物のエキセントリックな造形、超個性的なオーナーさんという三拍子揃った、お勧めの珍スポットです。
知多半島のシュバル理想宮
貝がら公園は、まるで20世紀初頭のフランスで一人の郵便局員が33年かけて、石で作ったというシュバル理想宮のよう。でもこの素晴らしい偉業はシュバルほどは知られていません。もっとたくさんの人に知ってもらいたいという願いから「知多半島のシュバル」と個人的に呼んでいるのです。
医者も驚く回復力
本当にお会いできて良かった。良吉さんも「後遺症もなく回復したのは医者も驚いとった、これも神社の霊験のおかげ」とニコニコしていらっしゃいましたよ。セメントを担いで数十年山に登った体力は伊達じゃない。
やはり風化は止められず
7年前に比べると、やはり風化してしまったところもありました。船の展望台白山丸の屋根は暴風雨で吹っ飛んでしまったし、大砲のあたりは雑草に覆われています。でも歩けないほど草だらけということはなく、良吉さんが手入れをなさっている模様。貝がら公園はまだまだ健在ですよ。
優しいおじいちゃんという感じだけど?
ところで、東海珍スポットのマスター・大竹敏之さんのご著書『東海発バカルト紀行』、『東海珍名所九十九ヶ所巡り』、両方に貝がら公園が掲載されているのですが、そのレポートに登場する良吉さんはオッソロシイ頑固じいちゃんのイメージ。でも私にとっては笑顔でいろんなことをお話してくださいました。ひょっとしたら女性には優しいジェントルマンなのかも。(2012年08月04日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
貝がら公園(かいがらこうえん)
住所 :愛知県知多郡南知多町豊浜字半月140-1
電話 :なし
拝観料:無料
時間 :参拝自由
駐車場:無料+付近に有料駐車場(民家の庭:声をかけて駐車)あり