模型の汽車が位牌を乗せて塔を行き来する寺「能勢の高燈籠」【大阪】

能勢の高燈籠
大阪府豊能郡の山の中にょっきりと塔が立っています。能勢の高燈籠です。塔の中の中央のスロープには線路が設置されていて、時折模型の汽車が登ったり下りたりしているという仰天建築。

遺伝子組み換え祈願のお寺?

能勢の高燈籠
GMO──ジェネティカリーモディファイドオーガニズム(Genetically modified organism)すなわち遺伝子組み換え生物。バイオテクノロジーにおけるゲノム解析の解読、品種改良によって誕生した科学の成果ですが、生態系や安全 性など環境への影響、また倫理的な問題など慎重に議論を進める必要があります。GMOははたして人類の飢餓を救う福音か、はたまた破滅へと導く悪魔の科学か!?

──なあんておカタく書いてみましたが、ここはGMOが大いに関係するみたい。入口正面には「正浄遺伝子組替祈願」とはっきり書かれています。

仏塔巡りで人間を変える

能勢の高燈籠
中に入ると誰もいない休息所と鹿がいました。鹿はボサーっとしてます。パンフレットによると、仏塔を巡れば人間を本質的に変えられる、つまり遺伝子組み換えをしたのに相当する、あるいはもっと桁違いの効果があるとのこと。仏教的GMOを目指すってことかな? なんだか良くわかりません。

ハイテク科学と仏法の組み合わせ

能勢の高燈籠
ハイテク科学と仏法の組み合わせが珍妙な風味にも感じますが、塔に入るとさらに仰天。内部は1階から6階までがゆるやかならせん状のスロープになっていて、参拝客は塔を歩いて登りながら拝む構造になっているんです。

汽車は巡るよ位牌を乗せて

能勢の高燈籠
しかも! 中央のスロープには線路が設置されていて、時折模型の汽車が登ったり下りたりしています。この汽車はご先祖供養のため、各フロアに奉られている西国三十三ヶ所を全て自動で巡ってくれる自動巡拝往復装置。各列車はご先祖のお位牌とロウソクが乗っているんですよ。

種類別に並べられた人形

能勢の高燈籠
それぞれのお社の間には、様々な種類の人形が種類別に並べられています。人形は人間の生命・肉体の延長・長寿の役割を担うのだそうです。お相撲とりスポット、美しい着物姿の博多人形スポット、黒田節スポット。その前を僧侶を乗せた列車が静かに登っていく……。

なんというシュールさ

東京の鉄道マニアカレーハウスのナイアガラはカレーを載せた鉄道模型がお客さんの席まで走ってきましたよね。食とエンターティメントは結びつきやすいのですが、ここがお寺の参拝所であるということがなんともシュール。自動的にお参りしてくれるのは楽なんですが。

(移転)鉄ちゃんの夢とロマンの鉄道カレー「ナイアガラ」【東京】
祐天寺は昔ながらの駅前商店街がある下町です。その祐天寺の名物店・ナイアガラは鉄道マニアのオーナーさんのコレクションがずらりと並んだ鉄ちゃん垂涎のスポット。※ナイアガラは場所を移転しました。これは移転前のレポートです。

水晶とピラミッドパワー

能勢の高燈籠
壁はキラキラと光る小石がびっしり。この小石は小粒の水晶。「水晶の持つ神秘力とこの塔(ピラミッド)を右回りすることで得られるご功徳(パワー)」を考えて用いられたそうで。ピラミッドパワー……。

1000回以上走らせた人も

能勢の高燈籠
線路上には名前と数字の書かれた札がずらりと並んでいて、上の階にのぼるほど数字は大きくなっていきます。実はこの数字、列車を走らせた回数なんです。100回、200回なんてざら。てっぺんの札なんて1000以上の数字が並んでいますよ。

なぜ阿波踊り? 回転寿司?

能勢の高燈籠
とうとう最上階。回ってました。回転寿司マシンにのっかった阿波踊り人形とお茶運び人形が。巡礼者の写真の前には「戦没者霊位」の文字。説明一切なし。ぐわんぐわん頭が回る気がするのは、塔をグルグル登ってきたからだよね。きっと。(2008年08月15日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

能勢の高燈籠(のぜのたかとうろう)

住所 :大阪府豊能郡能勢町倉垣412
電話 :072-737-1503
時間 :10:00~16:00
休業日:火・水・木・金曜日(※予告なく休塔あり)
入塔料:大人300円
駐車場:無料
関連URL:宗教法人 要会 公式ホームページ

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