京都市右京区の蛇塚古墳は住宅街のど真ん中にあります。家と家との間をかき分け、柵に囲まれて座っているような古墳です。でも中に入ればこの通り、巨大な石積みとなっています。
幸運にも柵を開けていただきました
古墳の管理をされている方(古墳の隣にお住まいです)が雑草の手入れをしていらっしゃいました。声をかけると「ラッキーだったね。柵のカギを開けてあげるよ」と笑いかけてくださいました。蛇塚古墳は普段は施錠してあるのですよ。しかしこの運の良さは運の悪さと引き替えだったことを、後々知るのであった……。
この辺りに栄えた秦氏一族の墓と言われる
蛇塚古墳も天塚古墳や蚕の社と同じく、この辺りに栄えた秦氏一族の墓であろうと言われています。巨大な岩が今にもおっこちてきそう。ちゃんと補強してあるので大丈夫なはずですが……。
もとは全長75メートルの前方後円墳
もともとは全長75メートルの前方後円墳の土が流れて石室が露出し、周囲が小高い丘となったようです。やがて石室の周りに住宅が建てられましたが、その家の輪郭をなぞるとちゃんと前方後円墳の形をしているんですよ。
全国4位の大きさを誇る巨大石室
石のゲートをくぐると、びっくりするほど大きい空間が広がっています。主室である玄室の床面積は全国4位の大きさを誇っているんですよ。私の身長と比べると巨大さがお分かりになるのではないでしょうか。奈良の石舞台古墳のようですね。
ご近所の方に愛されている古墳
なぜ「蛇塚」と言うのかというと、この石室内に蛇がたくさん生息していたからだそうです。今は蛇はいませんので大丈夫。古墳の周りはきれいに雑草が刈られ、美しい花々で飾られています。ご近所の方々がこの古墳を大切に保護しているのがよく分かります。
禍福はあざなえる縄のごとし……?
しかしなんとも間抜けなことに、この後バイクでの移動中にサングラスを落っことして紛失してしまったのです。度付き・偏光レンズのかなり高価なものだったのに……。古墳を見られた引き換えのアンラッキーでしょうか。
禍福はあざなえる縄のごとし。人間万事塞翁が馬。とほほ。次回幸運が訪れることを期待しましょう。(2006年05月12日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
蛇塚古墳(へびつかこふん)
住所 :京都府京都市右京区太秦面影町
電話 :075-222-3111(京都市文化財保護課)
時間 :普段は閉鎖しています。問い合わせを。
入場料:無料
駐車場:なし