京都市中京区、木屋町通沿いにあるレトロな建物。看板には日本映画発祥の地とあります。でも調べてみると「映画発祥の地」と言われる場所は神戸や大阪にもあるようなのですが……?
美しいレトロ建築・旧立誠小学校
高瀬川に面したこの建物は、元は立誠小学校(りっせいしょうがっこう)だったそうです。アール・デコというのでしょうか、装飾が美しいレトロな建築ですね。中では映画の上映会をやっているようで、次々と人が正面玄関から入っていました。
シネマトグラフの上映に成功した地
看板には1894年にフランスのリュミエール兄弟が発明したシネマトグラフ(映写機兼カメラ)の試写に、1897年に成功したと書かれています。シネマトグラフを持ち込んだのは京都の実業家・稲畑勝太郎(1862〜1949)。明治時代に生まれて初めて映画を見た人たちはさぞびっくりしたでしょうね。
神戸と大阪も「映画発祥の地」であると主張
でも調べてみると、神戸と大阪も「映画発祥の地」をうたっているのです。神戸市中央区のメリケンパークは、1986年にエジソンによるキネトスコープが日本で初めて上映された地。大阪難波は稲畑勝太郎が映画を有料で一般公開した地で「映画興行発祥の地」なのだとか。
個人的には京都に軍配があがるのではないかと思います
確かに神戸のキネトスコープの方が京都より若干早いのですが、キネトスコープは一人ひとりが箱の覗き穴から鑑賞する装置なので、大きなスクリーンで多人数で見る「映画」とはいえない気が……。なので個人的には京都のこの地が日本映画発祥の地であると思いますよ。(2017年02月26日訪問)【麻理】
追記
「我こそは発祥の地なり」と主張しているスポットはそれだけで珍スポット的なトホホ感が出てしまうことがあります。ボウリング発祥の地もぜひ参考にどうぞ。
参考文献
地図&情報
映画発祥の地・(旧)立誠小学校(りっせいしょうがっこう)
住所 :京都市中京区備前島町310-2
関連URL:大阪・神戸・京都に「日本映画発祥の碑」 本当はどこ?|旅行・レジャー|NIKKEI STYLE